第φ回裏短コン「我関せずと言えども、汝らすべて関しておる」

  • 本記事は2016年に開催した「第φ回裏短編コンクール」の結果稿を旧サイトから移植したものです。できるだけ当時のままの文章とし、修正は最小限にしてあります。
  • 出題作一覧はこちら

我関せずと言えども、汝らすべて関しておる

奥鳥羽生

012345678910
00655595331

正解42 誤解0 無解3
得点 2.45 (15位)
人気投票 1位:1人 2位:0人 3位:1人
ベストタイトル投票:0人

作者
非成部角遠打捨駒~転回捨駒シリーズ、止め駒香、金、桂のうちの桂版。香版はパラ2012年1月小学校。金版はプレ短コン2014年11月。
原図は7手詰だがいやがらせ変長回避で収束2手延長。前回裏短コンはそれが候補だったが普通にまとまらないかということで保留しパロディ版で代用。結局は普通にまとまらなかったので今回の裏短コンに。

★何年も前からmy cubeではお馴染みの奥鳥羽生(おくとーばー)さん。

★凄みのある初形にひるみますが、3枚の歩および桂香の壁に着目すれば、ああこれは限定打モノだぞと予想がつきます。そして後手の持駒も歩と金しかないですからね。
★87角! わざわざ83飛の利きに当てて打つこの角が盤上この一手です。当然同飛成なら33銀成迄ですね。この変化が1手詰なだけに見えやすい。34、45、56の桂香の壁を避けて69角と引き、同龍でこの龍の利きをそらすのが一連の目的となります。あとはつなぎを補完するだけです。
★3手目がちょっとポイントで、12銀が好手。同玉は21角成ですし、同銀は41馬があります。こんな都合のいい手がよく入ったなと。
★あとは無事に26桂が打てて詰上りです。ちょっと駒の重複感は気になりますが。

★とりあえず短評からいきましょう。

占魚亭
必然手ではあるが、69角は気持ちのいい一手。

梶谷和宏
最初は配置の意味がさっぱり分からなかった。分かってみるとこの初手の凄さに感動してしまった。

kisy
83飛と29龍の配置が最大のヒント。意外に解きやすかったです。

松尾 裕
1二銀の発見から角を打つ位置が分かる。

EOG
初手以外の手順が重い。

江市 滋
飛の効きに角を放つのが主眼だろうが、ここまでしないと表現できない?

山下誠
初手の限定打を成立させるために、全ての駒が関係している。

大瀬戸
中合したくてもできない

原田椅子
構想は面白いけど、この形をカバーできる程ではない。

虹色のルモ
金合ではすぐに詰むため角が限定打なのですね、駒をどんどん捨てて馬を働かせる収束はなるほどと思わされます。

おかもと
角の大回転だけど、今回は「スパイラル」と比べてしまうので損かも。

野々村禎彦
▲87角の限定遠打から綱渡りの▲12銀を挟んで▲69角の大転回とは壮大な構想だが、他に詰みそうな手順がない上、手品の種は二歩と合駒の売り切れに過ぎないのがモニョる。

まっつぁんこ
詰めあがりの重複感がおしい。

久保紀貴
好きなのはわかるが、無茶苦茶やるなあ(笑) 作者予想は奥鳥さん。

★作者予想的中が出たところで、去年の奥鳥さんの作品を紹介→好きなんです

★これがあるので、作者予想は今回で一番カンタンだったと思います。久保さんと、以下7名が的中者。

名無し名人
やっていることは凄いけど、この形なら感動はない。合駒制限や45~56のライン遮断が露骨。作者予想=奥鳥羽生さん。毎度お馴染みの遠打~転回。間違いないだろう。

ほっと
87に打ってくださいという初形。歩合防止も飛角銀桂香売り切れも苦しい。
奥鳥さん?

金少桂
切れ痔抜群の遠打。去年の『好きなんです』を思い出す。もしかして(しなくても)同一作者?

tsumegaeru
12銀が見えなかったのでソフト解答です。
作者予想は奥鳥羽生さん。理由は遠打なので。

青木裕一
桂香の壁はあからさまだけど、飛の利きに限定打は見事。
いかにも奥鳥羽生さんが作りそうな作。

三輪勝昭
この限定打は構図感覚が勝負なのだが、余り良い出来ではない。
去年、これと同じ短評をした作品がある。
作者予想をすると同じ作家になってしまうが、違うだろうな~。
作者予想=奥鳥羽生作。

景山英貴
タイトル長すぎるので後半の文字数だけ評価下げましたがマイナスになったので絶対値を評価とします。奥鳥羽生さん。

★えええ。

有吉弘敏
狙いは明快なのですが、配置に重複感があり、推敲の余地がありそうに見えてしまいました。

馬屋原剛
もう少しシンプルな舞台装置で実現して欲しかった。

まつきち
初手はカッコいい!3手目12銀も巧打。収束重いのが難点。タイトルは中段の桂香へのセリフ?

★なるほどそういう解釈。

太刀岡甫
飛龍の利きを飛び回るふわっとした角。できれば合駒制限せずにどうにかしたいところではある。Pathfinderさん作と予想。

ミーナ
二枚の飛車の防御。どちらかははずれてもらおうと角で窺う。たくさんの小駒は角のルートを決めるだけでなく、余詰防止にも働いてる・・のかな。
作者は小林さん

桂花
悪い手順ではないが、いかんせん重い。

Pathfinder
角を打つ場所はここだ!

河童生
我関せずと逃げる王、俺の出番と5手目に初手の87から角のお出まし。

齋藤光寿
取れるもんなら取ってみろという角。さすがに2度目は怒られた。

黄楊一輝
なるほどの初手。久保さんのような気がする。

後藤 満
序は好感触だが、収束に少し物足りなさを感じる。

不透明人間
裏短コンのなかでは実戦形。久保紀貴氏作と予想。

すみしん
私にとって不可解な配置に見える駒があまりにも多いのが気になります。タイトルに汝ら全て関しておるとあるので、全ての駒に意味はあるはず。解説を楽しみにしています。

竹中健一
配置も手順も冴えない…

園川彼方
配置の意味は受方持駒を金歩のみにして2手目76~54合を防ぐため?

オオサキ
桂香品切れにしないと実現できない構想ですっけ?

前田康熙
初手は87角だろうなーと思いつつも、12銀がなかなか見えず。

もラン
条件を生かした金合強要を含みにした限定打で痺れ。

園城寺怜
合駒制限をする必要はあるのだろうか?

ぶじょー部長
馬のいい感じの活用だが、玉型の駒がやや多いような。

★形の悪さにというか駒効率の悪さに不満評がやや目立つ結果となってしまいましたが、原図はもっとシンプルな7手詰。

★奥鳥羽生さんが「いやがらせ変長」というのは2手目55香合のこと。

★同角、24玉、13銀に、15玉は16香合迄7手駒余りですが、13銀を同玉なら22銀生、24玉、33角成迄9手駒余り。ただ、13銀を同玉と取ってしまうと55香合をした意味がなくなるので、これは無駄合でいいと思いますけどね。人によっては変長と思ってしまうのかも。

★ちなみに奥鳥さんは変長を消すだけにとどまらず、さらに角を離して打つためにはと欲張り、結果として発表図に落ち着いたようですね。

作者
「毎度ばかばかしいお笑いを一席」の図、解答にも作者予想にもやさ(優・易)しい初手。
手順完全限定だが、最終手にも気を配る現代短編志向に逆向の、ベタ重い詰上りが笑える。
タイトルの意味は、不動のままに終わった多くの駒に対する言い訳です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました