第n回裏短コン「貧乏人の子沢山」

  • 本記事は2015年に開催した「第n回裏短編コンクール」の結果稿を旧サイトから移植したものです。できるだけ当時のままの文章とし、修正は最小限にしてあります。
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貧乏人の子沢山

不透明人間

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正解41 誤解1 無解3
得点 2.45 (10位)
人気投票 1位:0人 2位:1人 3位:2人
ベストタイトル投票:1人

不透明人間(作者)
成駒なしの貧乏図式と決めて作図していたら、枚数を大幅にクリアすることに成功しました。タイトル解題、飛車が父親で2枚の角はその妻と妾ということにしておきます。清貧な暮らしの最後に一人の息子が成金になるというストーリーです。

★何年も前からこのブログにコメントをいただいている不透明人間さんの作品。

★使用駒数は「大生小生」に続いて2番目に多いですが、タイトルのとおり、貧乏図式になっているのでそこまで重くはない印象。
★開王手をしたくなりますが、右に逃げられてどうしようもないので、とりあえず35飛と打ってみます。実はこれが44玉に53角成迄の詰みを見た限定打。
★56玉と逃げますが、もはや王手が実質一択。ここから楽しい趣向手順の始まりです。
★45桂、53桂生、61桂成と桂の三段跳び! なんとこれであっという間に詰上り。
★53桂成としてしまうと、最終手に圭を動かす先がどうしても41角の利きを止めてしまうので失敗。ここらへんの構図、うまく作ってあります。

★狙い明確な手順で、まさに裏短コン向きでしたね。タイトルの意味もなかなか想像力豊か。

みつかづ
飛の限定打に2段跳ねした桂が成っての最終手ソッポ成桂。角の斜線を上手く使った作品だと思います。

松尾 裕
気持ちが良い。

★こんなに駒数が多い作品に対して気持ちがいいという感想が出てくるのは珍しいかも。でもやっぱり気持ちがいい。

ほっと
23歩、32歩の2枚は、二路右に寄せれば不要。貧乏で子沢山なら少しでも節約しないと。

★もちろんそれも考えられるのですが、

有吉弘敏
桂馬の三段跳もさることながら、初手を限定打で入れたところが本作の価値。

★おそらく初手を引き立てたかったんでしょうね。

長谷川
動きを見てるだけでただただ楽しい。

桂花
着地満点。

オオサキ
初手限定は当たり前とはいえ丁寧なつくり。作意が見え見えなのを、よしとするかどうか。配置駒が膨らんだのをタイトルでごまかした感じはする。

冬眠蛙
攻駒が強すぎて、玉がかわいそう。

夏風
楽しい桂跳ね。貧乏じゃないとどうなるのかな?

★作者の言でははじめから成駒なし貧乏図式に決めていたとのことで、別バージョンも見てみたい気がしますね。

もーたー
一枚駒の動きと言えばdivDさん。

孫の手
桂馬の三段跳び。

divD
元気な子がいますね。

まつきち
桂の3段跳びお見事。駒数の多さ、図の広がりなど配置に難はあるが、成駒がなく金銀も不使用で清潔感はある。命名は、貧乏図式で駒が多いということからこのタイトルにされたのかと思いますが、感じの良くないフレーズですね。

★律義者の……。

山下誠
7手で桂馬の3段跳び。こういう趣向は嬉しい。

金少桂
課題の条件を逆手に取ったようなセンスのある初形とタイトルにニヤリ。手順も桂の三段跳びが無理なく入っていて良かった。

中村雅哉
桂3段跳ねの意欲は買います。駒配置はかなり工夫の余地がありそう。自分なら52角41角/51飛配置で41桂成までの構図を考えたい。

★角を素抜かれないための不成、ということですね。

EOG
ごたついた配置だが、よく出来た手順。

奥鳥羽生
獅子奮迅の三段跳び桂、大勢の敵味方の子供達が唖然と見守っている、という風情。

青木裕一
狙いの割に駒数が多いと思います。

肉饂飩子
もう一人子供(香)が欲しい。

★確かに香をあと1枚使えば飛角桂香コンプリートですね。

kaga
言い得て妙。タイトル賞一票。

さわやか風太郎
初手が限定打、桂の3段跳ねの構想はいいと思います。

園城寺怜
桂の三段跳ね。成駒無しの貧乏図式とはいえ、配置に歩がやたらと多いのが少し気になる。

★3~7筋は(二歩にならない範囲で)フルに使ってあります。

馬屋原剛
私的には一番好きな作品。

★馬屋原さんこういうのが好みだったんですね。

後藤 満
初手一発。後は手なり感が強い。

h160se
桂の合駒制限があるのかと疑ってしまった。

★どのタイミングで合駒をしても取られてことごとく無駄合になりますね。

河童生
桂の3段跳び良いけれど、配置駒の多さに辟易。「産めよ、増やせよ、地に満ちよ」の結果がこれですか?

★あの……。

ほい
初手も限定してそうなところに品位を感じる天使の跳躍。

齋藤光寿
文句無しに楽しいですが、さりげなく飛車打が限定されているのがいいですね。

小林尚樹
貧乏図式を「貧乏人」、多数の配置駒を「子沢山」に例えたタイトルか。ことわざに準えてあり、これはこれで良いと思う。

ikiron
攻方桂の3段跳ね。配置はもう少し整理できそうだが、どうなのだろうか。

竹中健一
菅野氏の作品かと思ったら作者名に居ませんね……。

ミーナ
将棋の駒に「石」って欲しいよねぇ。どこにも効かないで、ただの壁。取られるだけ。
作者は菅野哲郎。エンターテイナーの本領発揮。

★まさかの菅野哲郎かぶり。
★「石」はフェアリー駒であったような。Pyramidとかいうらしいです。

3時のおやつ
邪魔駒排除の桂馬の三段跳ね実現のためとはいえちょっと大仕掛けになってしまった。

彼方
角の利きを遮らないように、という桂不成の意味付けはうまい。

tsumegaeru
打桂の二段跳ねが面白い。

占魚亭
見事、三段跳ねが決まりました(拍手)

★そして最後は欲張りたい方々。

すみしん
3連続桂跳ねとわかりやすいテーマの作品ですね。どうせなら4連続と思うところですが、さすがに7手詰での表現は不可能でしょうか。

たくぼん
7手で桂跳ね4回の作品があるのでちょっと減点。タイトルの意味はちょっとよく分からない。

三輪勝昭
7手詰の桂の4段跳びはあったと思う。劣化版に見えてしまう。

名無し名人
7手で攻方桂四段跳ねの作例も既にあるので、三段跳ねでは物足りない。清貧図式も付加価値というほどでもないかな。不透明人間さんかな。

★その作例を下に紹介。

橋本孝治
詰将棋パラダイス1983年6月号

★6手目46歩合が同角成以下9手詰になる変長のキズ。7手で作る、というテーマから考えるとちょっと痛い。

縫田光司
詰将棋パラダイス1998年5月号

★これは玉が桂についていくシンプルな表現です。あえて両王手をせず不成といくのが巧い。

★おもちゃ箱に掲載されていたのがこの2作だったのですが、他にも作例多数あるとのこと。創作の練習をしたい方はぜひ挑戦してみましょう!

コメント

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