鈴川優希 詰パラ入選作 #81-85

入選81回 中学校 2015.2

詰将棋パラダイス2015年2月号 中学校

ABC平均
111961922.80

藤○和幸 角の捨合にはじまって舞台を構成した大駒の3連捨、感嘆。

和○登 大駒が全て消える魔法の手順。


よくある中合動かしだが、11手で3回動かすのは珍しいと思う。
2手目が成限定なのがミソ。

大駒主体なのにちょっと地味な印象なのが損している気がする。

入選82回 短大 2015.2

詰将棋パラダイス2015年2月号 短期大学

ABC平均
21926602.81

須○卓二 清貧図式でこれだけの内容を表現できるとは素晴らしい。

山○誠 26の角を消す意味が表に出ないのがよい。


22手目14同玉に対して26桂を打つスペースをつくるため、角を邪魔駒消去しておく狙い。

24桂合が創作の出発点で、いい収束になったので、そこから26角消去を逆算したというもの。使用駒にも統一感あっていい出来だと思う。序がかなり難しいが、26角を必要駒にするためのもの。

入選83回 ヤン詰 2014.12

詰将棋パラダイス2014年12月号
ヤング・デ・詰将棋

ABC平均
5233442.5339
※は誤無解+無評価。首は首位作投票数。

鈴○信幸 自然に次の手が指せる程良い易しさで、とても楽しい作。


気に入っている作。手順がシンプルかつ引き締まっているし、駒効率も非常によい。

入選84回 中学校 2015.4

詰将棋パラダイス2015年4月号 中学校

ABC平均
112762422.72

大○究庵 ふふふ。図を見たときから、55角の筋と見えましたよ。

名○健将 既成手筋だが、初形が抜群にいい。


両側からバッテリーで攻めると見せかけて、片方はフェイクというもの。

発表図は11手詰だったが、難解な余詰が見つかったので上は修正図。58とを動かす2手が省略されて9手詰になってしまった。

入選85回 大学 2015.4

詰将棋パラダイス2015年4月号 大学

ABC平均
1724212.85

池○俊哉 角飛2段合による香→角への持駒変換の連続であるが、結果的にやりたいのは44歩の形にする退路ふさぎ。謎解きを含んだ構成が素晴らしい。


今回のメインディッシュ。原図からちょっとだけ配置を変更しているが、だいたい同じ。
まず29香と打つと46に利かすため28角合が必須で、同香に今度は飛合が出てくる。

飛合の理由は16と、36玉、37香に同飛成と取って、さらに26にも利かせるため。

この飛合を取って、26飛で元の位置に戻してもう1枚の香を打つと、同じような理由で角飛の連続合が再登場する。

さっきとの違いは、持駒が角香歩から角角歩になっていること。これによって収束に入れるわけだが、どうするかが問題。

基本路線は、17角、15玉に開王手するような感じになるが、もちろんそのままでは詰まない。
ここで71角!の最遠打が正解だ。
同飛なら、17角からその飛車を回収できて詰む。逆に53角や62角と打ってしまうと、回収できる駒がと金(=歩)なので詰まない。
また、71角に対して53や62に合駒すると、17角から開王手して角2枚が直列につながるので詰むというわけ。
この仕組みを「浦壁手筋」と呼んでいる。<参考>

それはともかく、71角に対する受け方だが、44香合が正解。17角から開王手で直列になってしまうのは大丈夫なのかというと、44角上で取ったときに角が成れないのでなんとか凌いでいる。
しょうがないので、44香合には同角成、同歩と進む。

さて、この局面。最初に角飛の連続合が出た1枚目の図面に戻っていて、違いは43歩が44に進んだことだけである。
持駒に香が戻ってきたので、27香、同玉、26飛、同玉、29香と打つと、やっぱり同じ原理で角飛の連続合が出てくる!

が、今度はここで37角という手がある。今までは36玉で詰まなかったのだが、47と、45玉、36角で捕まっている(44が塞がった効果)。
よって、その36角を防ぐために、最後だけは27銀合が最善になるという破調。

16とは36玉で、45角が打てなくなっていて詰まない。
ここは35角!が最後の決め手。同桂で35を塞いでしまえばあとは容易に詰め上がる。

実は最後、46と、37玉、35とみたいな感じで最終手余詰があるのだけがキズだが、気にしている解答者はいなかった。

というわけで、鈴川の発表作の中でも手順の面白さでは1、2を争う作となっている。
半期賞には選ばれなかったが、中編名作選IIに取り上げてもらった。

つみき書店から購入できる。

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