入選130.5回 同人室 2017.6
詰将棋パラダイス2017年6月号 同人室
| 誤 | 無 | A | B | C | 平均 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 4 | 31 | 6 | 0 | 2.83 |
桂憩 なんと鮮やかな飛2連合。意味づけも1枚目は縦で2枚目は横という違いがあるなんて!
香の王手に飛の2連合が出る素材を見つけたので、いい感じに収束と序をつけた。
しかし、次の作品と類似していると指摘を受けたので、入選辞退の扱いにしてもらった。
詰将棋パラダイス2002年1月号
濱田博
入選131回 詰工房作品展 2017.6
詰将棋パラダイス2017年6月号
詰工房作品展
| 誤 | 無 | A | B | C | 平均 |
|---|---|---|---|---|---|
| 4 | 4 | 10 | 8 | 1 | 2.47 |
川○敏嗣 7手目奪った金を66に据えて包囲網の完成。以下、53銀生捨が好手で71角生がうまい。
福◯徹彦 前半は金合、後半は角不成で二色弁当のような作。
「打歩手筋、ただし歩の王手なし」という課題で、詰工房と創棋会が合同作品展を行ったときのもの。
71角成といくと62歩合で困ってしまう。
しかし、手の流れに一貫性がなく、配置も悪いのであまり良い出来とは言えない。
入選132回 中学校 2017.8
詰将棋パラダイス2017年8月号 中学校
| 誤 | 無 | A | B | C | 平均 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 3 | 68 | 26 | 2 | 2.68 |
末○修二 流れるような手順。43角は限定。桂の2段活用がいい。
止少兵八 筋がいい故に見えやすい手筋物。
初形で34桂がいなければ頭金まで。その実現のため、2段跳ねでどかすというストーリー。
腹銀頭金の収束が大好きなので、定期的に作ってしまう。
入選133回 短大 2017.9
詰将棋パラダイス2017年9月号 短期大学
| 誤 | 無 | A | B | C | 平均 |
|---|---|---|---|---|---|
| 9 | 1 | 32 | 6 | 1 | 2.79 |
谷◯幸永 打ち換えと合駒強要で「詰棋らしい回りくどさ」を好表現。
堀◯一雄 「角合で千日手か~」と思ったら正解手順だった!
10手目桂合してくれたら同龍以下きれいに詰むが、現実は角合。これを取って52に打ち換えると、56飛の利きが遮られ、51角が打てるようになる。すると、無事に桂が手に入るので、当初の狙いが実現するというもの。
易しくて面白い手順に仕上がったので、気に入っている。
こちらは別案。最小限の駒数で作るならこうなるが、実戦風で目に優しい形の発表図のほうが優れているかと思った。
入選134回 大学 2017.9
詰将棋パラダイス2017年9月号 大学
| 誤 | 無 | A | B | C | 平均 |
|---|---|---|---|---|---|
| 9 | 1 | 32 | 6 | 1 | 2.79 |
山◯誠 前半は小駒6枚を徹底的にほぐす。13角成からは一転して気分良い捌きの手順。
岩○茂 馬と銀以外は全て邪魔駒だったとは! 最長手順探しにも苦労する。
盤面10枚のうち、6枚が邪魔駒という一発ネタ。
44桂は53馬の利きを止めている邪魔駒。24桂は玉が13のとき35馬が王手にならないので邪魔駒。31とは31角が打てないので邪魔駒。これらを消去する過程で、23桂は玉が13のとき23金が打てなくて邪魔駒。33歩は玉が13のとき22角~33角成とできないので邪魔駒。
……しまった、13桂が飾り駒なことがバレてしまった(なんで置いたんだろう)。
ちなみに、この作品にも別案がある。
成桂で尻から追うのが面白い。ただ、かなり変化がボリューミーなので、発表図とは打って変わって難解作になってしまっている。
こちらのほうが鈴川の好みではあるのだが、詰工房で人に見せたら8人くらいが全会一致で元の図を支持したので、そちらで発表した。
入選135回 大学院 2017.9
詰将棋パラダイス2017年9月号 大学院
「廻る鬼瓢箪」
| 誤 | 無 | A | B | C | 平均 |
|---|---|---|---|---|---|
| 3 | 2 | 12 | 2 | 1 | 2.73 |
岩○茂 51角の回転が狙いかと思ったら合駒で発生した71角まで回ったのでびっくり。ギリギリの攻防に終始する手順も緊張感がある。
池○俊哉 51角が大きく1回転し、71に合された角が小さく1回転する。無理作りと思われる箇所がなく、どこから作り始めたのか、と感嘆してしまう作品。
半期賞受賞作。
私が大学院で半期賞を獲れるのはもうないだろうから、貴重な作品。

初手13龍に対して合駒を考える。
33歩合は43香成、54玉、65角!、同桂、44成香、55玉、15龍以下。よって35に利かすため33は香合となる。
同龍、同角に55香、同角と捨てて逃げ道を塞ぐ。これで2枚の香車を捌けるようになる。

43香成、54玉、53成香、同玉と原型消去する。なお62に逃げるのは53成香以下同様に詰ますこともできるが、69龍から難解ながらも早詰があるため、逃げ方は54に限定されている。
2枚目の香車を成ると、54玉には当然45龍迄なので、今度は62に落ちるしかない。

やりづらいが73金で攻駒を補充する。同角、53成香、同玉、65桂、52玉。

ここで34角、51玉、61角成が気持ちの良い活用。同玉、41龍で合駒読みとなる。

とはいえ71歩成から角を取る筋があって相当ピンチ。ここは51角の移動合で角を逃げておくしかない。
これで初形の51角が一回転して戻ってきたことになる。
以下、71歩成、62玉、72と、同玉、52龍、81玉、51龍と迫る。

ここが少し難しいが、何合に対しても72角、同玉、85金と進めることになる。玉方は63から脱出したいが、53龍や74金で捕まってしまう。
そこで、71は角合として53龍を防ぎ、85金には74歩の中合でなんとか凌ごうとする。

これを同香と取っては63玉で詰まなくなるので、52龍と手を替える。
再三の合駒読みだが、74香、81玉、71香成、同玉、93角以下の詰み筋があるので、2段目に利かせる飛合が強防。
74香や73桂成でなんとかなりそうだが、詰まない。
ここは84桂跳がこのタイミングでのみ成立する好手。82玉、73桂成、同玉、74金、82玉と押し込んでいく。

いよいよ大詰めだ。
62龍、同角に73金が質駒づくりの捨駒。同角に72飛と打てば、93玉には73飛成があるので81玉しかない。
以下は82歩、同角、71飛成、同角、72香成迄。

きれいに駒が捌けて詰上り。
ここでよく見てほしい。71角も実は小さく1回転しているのだ!
おそらく、玉方駒2枚の1回転はまだ前例がなかったと思う。しかもそのうち片方は合駒で出しているのがポイント。
(ちなみに、攻方駒2枚の1回転も過去に作っている→地球ゴマ)
タイトル「廻る鬼瓢箪」は、2枚角の回転の軌跡が瓢箪の形に見えることから。

ちなみに、収束の7手詰から純粋な逆算で作っている。
逆算の途中で新たな狙いを入れるのを目標としている私としては、会心の出来だった。
ただの7手詰がここまで化けたという驚きは、まさに「瓢箪から駒」である。


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