第n回裏短コン「ケルビン卿の原理」

  • 本記事は2015年に開催した「第n回裏短編コンクール」の結果稿を旧サイトから移植したものです。できるだけ当時のままの文章とし、修正は最小限にしてあります。
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ケルビン卿の原理

鈴川優希

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正解41 誤解0 無解3
得点2.73 (2位)
人気投票 1位:8人 2位:4人 3位:9人
ベストタイトル投票:3人

鈴川優希(作者)
単純明快だけど、論理的な構成になっているはず。タイトルは熱力学第二法則から。

★最近、活動の範囲をますます広げている詰パラ同人作家の鈴川さんが登場。
★……はい、すみません。

★馬がぐるっと回る。それだけですが、7手で表現できたのが自慢です。
★84龍を消去したいのでとりあえず捨てる初手。先に57香と打っては44玉で54銀成を取られてしまいます。
★75同馬に35飛成だと今度は93角の利きが遮られて57に逃がしてしまいます。だからここで57香の退路封鎖が先決です。
★最後の35飛成が自動的に捨駒になって、初志貫徹で66角成迄の詰上り。

★都玉配置と、馬以外は無防備という点にもちょっと気を配ってみました。85歩は残念な配置で、初手85龍、75香合、同龍、同馬以下の手順で作ることもできる気がしますが、まあ7手で作るのが目的だったということでこれはこれで。
★開催者なのに予想外の高評価で2位になってしまいました……。優勝を奪わなかったところが不幸中の幸い 笑。

長谷川
変化とか何にも考えてないです。

桂花
三塁打。

★こっちをタイトルにすればよかったですね。

中村雅哉
こういうの好きです。タイトルの意味はわかりませんが(笑)

★“一様な温度をもつ一つの熱源から熱をとり出しこれを仕事に変換するだけで、ほかには何の結果も残さないような過程は実現不可能である”(フェルミ熱力学より引用)

松尾 裕
テンポが良い。

オオサキ
84龍、85歩はちょっと気が利かないけど、小学校に出していたら半期賞だったと思う。

★実は、小学校からわざわざ返送をお願いした作でした。

冬眠蛙
無理のない構図で、一目で解けて嬉しいタイプ。

夏風
一瞬で見えましたが、それが爽快。

もーたー
密集しない盤面空間と手順から齋藤氏。

孫の手
解きやすく分かりやすいので好み。

まつきち
馬の回転お見事。最小限の配置でうまくまとめたもの。詰め上がりも締まっている。タイトルの意味は分からない。

山下誠
命名も手順も高尚。カルノーサイクルをイメージ?

★それもイメージしました。でもルントラウフじゃないからカルノーサイクルじゃないよなあ……と思ったところにこの法則名を思いついたのでした。

名無し名人
馬の3/4回転。85歩は仕方ないとして、構図にもセンスを感じる。最初ikironさんかと思ったが、盤面12枚だからおかしい。そうなると鈴川さんかな。

★またもや的中。

EOG
芸のない初手だが7手では致し方ないか。

奥鳥羽生
わしゃ目が回っちまったよ。
回転を好みそうな、ikiron or 村人A。

肉饂飩子
絶連だけど、こういうユーモア作は好き。

kaga
表題の意味不明、角の回転よく一票。

さわやか風太郎
馬の引っ張り回しが凄い。

園城寺怜
馬の3/4回転をさらりと表現。鈴川氏作ですか?

★さすが。

馬屋原剛
これは気に入りました。仕組みがうまい。

後藤 満
邪魔駒(龍)の消去に伴う馬の移動手順が美しい。

みつかづ
応手が全て同馬。易し目の問題でしたが、馬の軌道が美しいと思います。

h160se
しびれる馬の一回転。拍手。

ほっと
作意だけなら一瞬だが、楽しい手順。「ケルビン卿」で検索したのは自分だけではないはず。まず「ケルビンの渦定理」というのがあり、「手順が渦だからか」と思ったが、命名はこれとは別モノのようだ。まあ解説は作者がしてくれるでしょう。

★タイトルに完璧な意味付けを求める時代は終わった……? ちなみに「トムソンの原理」「クラジウスの原理」「熱力学第二法則」「エントロピー増大則」などなど、同値な法則はいろいろありますが、

小林尚樹
上手い! 1回転できない馬を「ケルビンの原理」に例えたか。しかも「ケルビン卿」としてあるところが憎い言い回し。

★と、いちばんカッコよく謎めいたものをもってきたのでした。

ほい
テーマ構成の実現が見事なり……こういうのコンテストだと人気でるんだよなー。

齋藤光寿
美しさの結晶ですね。

★ダイヤの結晶の形?

ミーナ
カルマンとケルビンって似てるから間違いそう。こっちのほうが渦っぽいし。
作者は小林敏樹。あまり自信なし。

★タイトル奪われたか……でもこっちは二重の渦じゃないし。

すみしん
詰ますことができませんでした。柿木解答での感想です。相手馬の回転が無駄なく表現されていて、非常に綺麗な印象を受けました。すばらしい作品と思います。タイトルのケルビン卿の原理は調べたところ、エントロピー増大則のことなのですね。燃料を投下しながら回転する馬のエンジンを表しているのでしょうか?
タイトルと手順からdivDさんの作品な気がします。

彼方
馬の3/4回転。初手が少し惜しい所。作者はdivDさん?

ikiron
巧い! 馬の転回自体はある筋だが、変化・紛れの処理が綺麗で無駄がない。馬で44への逃げを制するギリギリの詰上りも華を添えている。
作者予想はdivDさん。

青木裕一
7手で馬の3/4回転。これはすごいかも。作者はdivDさんと予想。

★divDさん予想多し。嫉妬。理系ネーミングだから?

3時のおやつ
試合前の“鳥かご”の練習を髣髴とさせる。

★3時のおやつさん、スクリーンプレイとか言ってたし、バスケがお好きなのかな。

tsumegaeru
馬の回転が見事。

竹中健一
意味も分からずに手を動かすと詰んでいるという作品。(実際には盤駒使っていないけど) 意味づけは後から理解できた笑

★まあ、それでいいんですよ。

占魚亭
スカッとする転回。大好き。

★ここからはもっと欲張りたい方々の評。

たくぼん
できれば1周と思ってしまうけど手数が足りない(笑)

不透明人間
7手では1回転できないわなあ。

divD
一回転して欲しいと思ったが7手では無理だった。

河童生
7手ではこれが限界。9手詰で再度の挑戦をお願いします。まるっきり、表題の意味が判らない。

★9手あっても飛車の数が足りない 笑。

村人A
鮮やかに綺麗に回るなあ。

有吉弘敏
既視感はありますが、7手で実現するための最善の配置でしょう。

★既視感というのはたぶん次の作品のこと。

金少桂
図巧75番を思い出す玉方馬の回転。意味付けが84龍の邪魔駒消去と面白く、かつシンプルにまとまっていて素晴らしいと思う。

三輪勝昭
この馬移動を7手で創るとは!
僕がこの狙いで中学校に発表した作品は看寿と同じ打ち捨てでと考えたから7手では出来ないと思うけど、この馬軌道は7手で出来ると考えただけ凄い。優勝と予想。
作者予想=鈴川優希作。

改良案(推敲してないので図ではない)を考えました。

これは僕のようにモデルメイト教と言う宗教を盲信するものだけが改良案になり、ただの信者には改良案にならないので、お間違いないようにお願いします。

★残念、僕はただのモデルメイト信者なので改良案ではありませんね 笑。いや実際これに似た図は得られていたんですけどどうせなら馬以外無防備にしたいなあと思ったゆえ。でも25龍の捨て方が左右で対称的になっているのはおもしろいかも。

★せっかくなので、元ネタになっている看寿の作品と、三輪さんの11手をここに貼っておきます。

伊藤看寿
将棋図巧 第75番

★300年前ということで変長と余詰があり、この馬の軌跡を7手で表現できないかと考えたのが出発点でした。

三輪勝昭
詰将棋パラダイス2015年2月号

★打ち捨てでえらくスマートに実現したのが三輪さんの作品。最後の31飛が焦点打になっているのがかっこいい。

★そして、この一連の流れでどうしても紹介しておきたいのがこちら。

柳澤瑛
詰将棋パラダイス2019年6月号

★スマホ詰パラでも活躍している若手作家の柳澤さん。うおお無理作りがすごい! でもやってることがさらにすごい!

★このテーマに取り組んだ立場からいうと、打ち捨てで作るのはかなりきついので、鈴川は邪魔駒消去を絡めて安易な方向に逃げたというのが実情です。腕に覚えのある方はぜひ新作としてトライしてみてください。

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