入選41回 中学校 2013.8
詰将棋パラダイス2013年8月号 中学校
誤 | 無 | A | B | C | 平均 |
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1 | 1 | 83 | 38 | 2 | 2.65 |
仲○利明 詰形と不詰の形がわかりやすく収束もみえてるので易しいが、短編ではあまりみない飛の捌きがよい。
中○哲司 素直に取ってくれないので、飛を捨てることにも苦労する。
3手目43飛成は取ってくれないので、34に玉を出してから実行したいが、34飛も取ってはくれない。そのため、43飛打と重く打ってから捌いていくというもの。
初手の短打も逆算で入って、大駒を短く使う味を出すことができた。
入選42回 短大 2013.8
詰将棋パラダイス2013年8月号 短期大学
誤 | 無 | A | B | C | 平均 |
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6 | 30 | 21 | 4 | 1 | 2.76 |
須○卓二 序の紛れ変化の複雑なことこの上ない。そこを過ぎれば見事な流れで感心しました。
山○誠 受けの妙手が随所に潜み、最後まで気が抜けない。85龍からの捌きには惚れ惚れする。
野○賢治 捨合で入手した桂を使って56龍を実現する一連の手順に作者の絶好調をみた。
4手目63玉が駒余らずの変同だった。こんなに面倒な序を作っておいて割り切れていないのは解答者に土下座しなくてはいけない。
改作図を作ったのでこちらで解説する(今回初披露)。作品としても数段良くなっている。
初手は63からの脱出を防いで64飛。バッテリーを作るところから始まる。
続く12馬に対する合駒は、45に利かせておかないと57桂、35玉、13馬、24合、65飛の順が受けきれないといった理由で銀に決定。これを読むのがちょっと大変だが、原図に比べたらずいぶん楽になっている。
以下はこの銀を拾って36に据えることができれば、あとは詰上りの両王手に向かって一直線。軌跡限定の龍ノコと、桂捨合が入り、最後も龍捨で盛り上がる。初手に打った飛を最後に開いて詰むのが構成として巧くまとまっていると思う。
この図で発表できていれば……と後悔するばかり。
入選43回 短大 2013.9
詰将棋パラダイス2013年9月号 短期大学
誤 | 無 | A | B | C | 平均 |
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4 | 25 | 20 | 9 | 0 | 2.68 |
中○照夫 飛のフェニックステーマ。そして32歩の消去。そして短編のような鮮やかな収束。
須○卓二 邪魔駒消去の方法が飛合絡めての手順で呼応しているののが素晴らしい。
手順としては申し分ないが、かなり配置で無理作りをしている。
何回か改作しようと試みた記憶があるが、いい案が浮かばなかった。また挑戦したい。
ちなみに、2手目の飛合が創作の出発点で、そこから収束をひねり出した。鈴川には珍しい正算式。
入選44回 大学院 2013.9
詰将棋パラダイス2013年9月号 大学院
「塞翁馬」
誤 | 無 | A | B | C | 平均 |
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3 | 0 | 14 | 4 | 0 | 2.77 |
占魚亭 盤上から消えては現れ、また消える桂馬の存在感。
池○俊哉 盤面の4桂をすべて成り捨て、その桂を連合がらみで再度入手。その4桂をすべて打って、また成り捨てる。34歩合を強制しての1歩稼ぎなどのアクセントもあり、軽快な手順のうちにも首尾一貫した流れがある。
上の図面は改作図で載せている。これも本邦初公開。還元玉になったし、序の桂馬の捌きが、4枚とも二段活用で捨てるので味が格段に良くなった。
18手目71玉でも62玉でもいい非限定はあるが、まあ許容範囲だろう。
見せ場は、37手目15香を打った局面。
ほんの一瞬、考えてみてほしいが、14桂合、同香、24玉しか受ける手がないとすぐに分かる。
続いて、28香と打ったところ。
こちらも非常に簡単だ。14玉には25銀から押し潰していって詰むので、25捨合が必要だが、同銀、35玉、34とを防ぐために26にも中合しないといけない。が、26桂合の瞬間に25銀、35玉、27桂もある。
というわけで、いとも簡単に27→26→25の三段桂合が出るのが面白いのではないだろうか。
残る山場はここ。32玉だと65角と覗いて、玉を61まで追った時に83角成とできて詰む。よって、56角か65角のどちらかのタイミングで中合して角を近づけておく必要があるのだが、4筋と5筋には歩が利かないので、今ここで34歩合としておくしかない。同角でさすがに詰みそうだが、実は詰まない。
そこで35桂~65角と追いかけ、しばらく進んだ局面で26の桂を34に跳ね出して歩を回収する。見方を変えれば、56角を入れずにすぐに35桂~65角と追うと、この一歩が足りなくなって詰まないということだ。
最後は還元玉で桂4枚消して詰上り。
「塞翁馬」というピッタリなタイトルもついて、満足のいく仕上がりになった。
……と、喜んでいたのだが、この2年後にかの田島秀男が、4桂連合→4桂成捨+ハガシを組み込んだウルトラCをやってのけ、看寿賞を獲っている。
世の中に長編詰将棋数あれど、鈴川が1作選ぶとしたらこれになる。それほどの作品。
田島秀男が、鈴川作から着想を得て作ってくれたんだとしたら、それは実に嬉しいことだ。
田島秀男
詰将棋パラダイス2015年7月号
入選45回 デパート 2013.9
詰将棋パラダイス2013年9月号 デパート
誤 | 無 | 正 |
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0 | 2 | 26 |
須○卓二 例の手筋を見事に趣向っぽい手順にしましたね。
水○修 目一杯開くのが豪快で爽快でした。
浦壁手筋を2バッテリーでやってみたら趣向っぽくなった。
短編名作選にも収録してもらっている作品だが、自分としてはあくまでお遊び作で、そこまで気に入っているわけではない。
ちなみに浦壁手筋というのは鈴川がブログかどこかで初めて使った用語で、次の作品のことを言っている。
浦壁和彦
詰将棋パラダイス1977年8月
が、一号局というわけではないので、浦壁手筋と呼ぶべきではないという意見もある。
一号局は北原義治のような気もするが、もっと調べたら古い作品があるのかもしれない。
ただ、北原義治は数々の有名作を残しているので、北原手筋といっても何のことかピンとこない。
この限定打の狙いだけを抽出して初めてダイナミックに仕上げたのが浦壁氏なので、やっぱりこのインパクトがいいのだ。
なお、この手筋の系譜を追いたい場合は、「この詰将棋がすごい! 2010年度版」に風みどり氏が寄稿している「超短編における中合対策の研究」が詳しいので、ご一読を。(書籍としては入手困難だが……)
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