第φ回裏短コン「ヒュームの因果」

  • 本記事は2016年に開催した「第φ回裏短編コンクール」の結果稿を旧サイトから移植したものです。できるだけ当時のままの文章とし、修正は最小限にしてあります。
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ヒュームの因果

鈴川優希

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正解43 誤解0 無解2
得点 2.72 (6位)
人気投票 1位:5人 2位:8人 3位:3人
ベストタイトル投票:2人

作者
2回の限定打。どっちが「因」で、どっちが「果」か。そこに意味はあるのか。

★自作解説なのであっさりいきましょう。

★7手目、75飛の焦点打。何度も見たような手です。ここからどうにか発展させられないかと試行錯誤したのが本作。
★75飛を角で取られた時、その利きをブロックするためにあらかじめ64に壁を作っておくのが構想です。64飛。あえてと金にぶつけて打つ感触が変わっているかも。
★序の2手を付け加えたことにより、飛打の順番がどちらが先かを問う狙いが生まれました。本当ならこの33銀、13に置きたいところですがね。
★また5手目、つなぎの手ですがこれも紐なしで実現していることがこだわりです。

★主催者としては優勝争いに関わるのは避けたいところ、でも狙いははっきりしたものを出したいということで、今回はちょうどよかったでしょうか。

占魚亭
75飛を可能にする下拵え。2度の飛捨てが好感触。

奥鳥羽生
事前にと金を移動・繋ぎ手も捨駒、といった工夫。

EOG
75飛~64飛が普通だよね。

松尾 裕
タイトルの意味は全然分からないけど、すばらしいなあ!

江市 滋
気持ちは分かるが、56桂の配置で不利感がゼロになったのも確かか。

虹色のルモ
まずは7五に角を呼んだ時の角道(上)を止め次に7五に角を呼ぶ、そのため飛車を2枚捨てる、因果が凄いです

おかもと
作品よりタイトルのほうが難しい。ついでにヒューム管(土管)の由来まで調べてしまった。

まつきち
焦点の飛車連捨ては、想定手順とは言え爽快。7手目ちょっと緩むのが残念。

野々村禎彦
第一感は初手▲75飛だが6手目△64同角で詰まない。これは手順前後で、先に▲64飛と打つのが正しいとわかれば解決。だが、△34中合は無駄合だと気付くまで少々悩んだ。

まっつぁんこ
こういうのはみたとたんに解けるのが不思議(笑)

ほっと
75に打ってくださいという初形だが、その前に64を塞ぐ。久保さん?

kisy
難しいタイトルから鈴川さん予想。タイトルは、デイヴィット・ヒュームのことでしょうか?

景山英貴
ヒュームの因果調べたよ。よく分からんかった。鈴川優希さん。

青木裕一
何か見たことがある感じだけど上手いです。
去年の作品と似た雰囲気なので、鈴川優希作と予想します。

tsumegaeru
将来的にブロック駒になってくれることを見越した64飛の遠打がいい。
作者予想は鈴川優希さん。タイトルがそれっぽい。

名無し名人
うおおおっ!これもすげぇ。75飛の筋が見え見えだが、その前に64飛捨てを入れてから実行するとは。この連続技はインパクト大。作者予想=鈴川優希さん。タイトルの雰囲気が前回の『ケルビン卿の原理』と似ているのと、六段目のと金配置が怪しい。

★タイトルはもちろん去年を意識しました。今回の裏短コンでぜひとも的中させてもらいたかった作者です。

有吉弘敏
三島作(半期賞)の龍の捨て方の逆順ですか。因果を否定する論理・・という事なのでしょうか。知性あるタイトルで鈴川氏と予想。

詰将棋パラダイス2015年5月
三島桂太

★こちらは初手がと金をどかして95馬を51に通す意味付け。

梶谷和宏
初手75飛と打って大嵌り。この理知的な作風は間違いなく鈴川さん。

★僕そんな頭良さそうな作風でしたっけ 笑。

山下誠
7五角の守備力を見通した1度目の飛車捨て。理想的な組み立てが光る。

大瀬戸
と金に添えて打つ64飛が面白い。

原田椅子
謎の64飛。これはやばい。絶対解くべし。

太刀岡甫
限定打ち捨て2回も凄いが、先に上の段からとは驚いた。繋ぎも全て捨て駒で、完璧な構成。青木裕一さん作と予想。

桂花
よくある筋だが、きれいにまとまった。

Pathfinder
これは素晴らしい!75飛⇒64飛ではなく64飛⇒75飛と先に壁を作る手順が見事すぎる。

柳原裕司
なるほど。自分にはこんな発想はできなかった。秀逸な構想。

齋藤光寿
初手75飛車はフェイク。魔法のような手順。

黄楊一輝
初手、7五飛でハマッてしまいました。超感動しました。優勝候補。

後藤 満
75飛に食指が動くがタイミングが難しい。角の効きを限定する巧妙な手順と哲学的タイトルに乾杯!

河童生
最終手、51馬or59馬、どちらの結果?で迷います。2度の飛の遠打に乾杯。

★二度の乾杯。

不透明人間
3手目の打ち場所限定がイマイチ。齋藤光寿氏作と予想。

すみしん
75飛、同角、24銀不成、同玉、64飛、同角、34銀成、15玉、59馬までと誤解しました。よく見たら34銀成は同玉と取れますね。
相手角の利きを邪魔するためだけに飛2枚を使うのは楽しい構想ですね。
ヒュームの因果も調べてみましたが、「何にも関係ないものにも因果関係を見出そうとしてしまう」とのこと。2回の飛車の限定打を表しているのででしょうか? 作者の意図が気になります。

★雰囲気ですよね。先に75飛を打ってしまうと因果が逆転する、みたいな。

竹中健一
これ面白いです!

★今回辛口だった竹中さんに褒めてもらいました。

園川彼方
飛車を2箇所に捨て、馬の利きをフリーにする。素晴らしい構想。

前田康熙
順序が逆になってるのがちょっと面白かったです

もラン
2方向の利きをどう止めるか寸刻悩んだ。理屈を追うスマートな印象。

園城寺怜
75飛の焦点打は第一感だが、それを成立させるための64飛は味わい深く感じた。

ぶじょー部長
二枚の飛車を上手く打つための手順の組み合わせの良さ。

久保紀貴
有名な三谷作7手のアレンジといった趣。すぐに75飛といけるところを回り道する味があり、価値あるアレンジになっていると思う。繋ぎの手が捨駒になっているのもよいところ。一方、84角、74との配置により64飛に意外性がなくなっている点は、74とが作意整形用の配置であることもあり気になるところ。作者予想は青木さん。

★三谷作は今さら取り上げるまでもないでしょうが、こちら。

馬屋原剛
既視感が強い。

オオサキ
荒削りだけど好き。と金に当てて打つ64飛、見たことありそうでない。前例はあるのだろうか。

★デパート担当の間では既視感についての意見が分かれました。僕も作った時は既視感の塊だったんですが、冷静に考えると珍しいと思います。

金少桂
遠打による遮蔽効果ものの定番だが、64飛と75飛の手順前後の綾をオプションとして加えたのが一番の見どころ。
ただ、4手目54香や44香の中合が変同なのがかなり気になるキズ。
そして、これが成立するからには、むしろ中合を作意にして例えば54香中合で最後の59馬を同香成と取るなどといった発展の可能性を考えてみたい。

★中合で変同、バレたか~~。これがパラに投稿しない理由でした。

★いい感じに着地を決めようと思ったら、59馬、同香成に14飛とか捨てたいところ。実現は難しそう。
★でもやっぱり香合の筋で作るべきですよね。

三輪勝昭
今さらって感じの手順。中合が変同なのも気になるし。
僕だったら46歩・56桂は46桂にして、この手順は54香の中合で不詰の偽作意にしてるな。初手75飛が作意になる。もしかしたらその姉妹作狙いか。
作者予想=斎藤光寿作。鈴川優希作をタイトルで予想したらこれ。

ミーナ
角の守備をどうかいくぐるか。75飛の焦点打を切り札に、64飛の犠打が巧妙。
4手目54歩合は作意どおりで変同なんて、神経質なやつはモテません。作者は齋藤さん。

★ちなみに三谷作を合わせて見てみると、桂の移動合にすることで変同を回避してるんですよね。うーん、すごい。


★最近、オオサキさんがこのタイプの作品をまとめたブログ記事を書いていたので、リンクを貼っておきます。

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