第n回裏短コン「笙の笛」

  • 本記事は2015年に開催した「第n回裏短編コンクール」の結果稿を旧サイトから移植したものです。できるだけ当時のままの文章とし、修正は最小限にしてあります。
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笙の笛

さわやか風太郎

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正解43 誤解0 無解2
得点 2.29 (14位)
人気投票 1位:0人 2位:0人 3位:0人
ベストタイトル投票:1人

さわやか風太郎(作者)
初心者向きに易しい作品なのですが、その割に駒数が多いのでずっと出品出来ずにおりました。今回の計らいに感謝します。
打ち歩詰回避がテーマです。タイトルは「子守唄」の歌詞「鳴るか鳴らぬか……」からの連想です。
右側へ全体を押しつけてしまえばもう少し駒数が減るのですが、それでは角の限定移動が目立たず薄味となってしまいます。
61歩は44角不成のところ55角成以下の余詰対策です。

★ずっと前からこのブログの読者のさわやか風太郎さん。詰パラでもお見かけする方です。
★裏短コンの中では唯一右上6×6に収まった、目に優しい初形で解図欲が湧きます。

★初手から開王手をしてみたくなりますが、どうやっても根本の飛車を取られて打歩詰の状態。24角成、34角、23桂成、同桂、33歩などと打開する手段はありますが、31玉と落ちられた形はどうも希望がありません。
★そこで初手にあらかじめ桂を捨てておくのが好手。43桂成に同桂は角の利きが止まったので開王手で1手詰。同歩には51角成などで詰みますね。
★よって同角ですが、ここで狙っていた開王手を実行。44角成は打歩詰なので44角生として53にも利きを残すのが肝心なところ。以下は予定通り歩を打っての収束。
★地味な手順ではあるのですが、結果的に桂馬の邪魔駒消去のような趣で、味がある作りとなっています。

冬眠蛙
綺麗ですけど少し底が浅いでしょうか。

★コンクールでは不利に働くのは致し方ないところ。

園城寺怜
二列右にずらせそうだけど、しないのは紛れのためか。

★作者コメントにあるとおり、そういうことでした。55角成の紛れとの対比は残るので、僕だったら駒数減らすのを優先させるかもしれませんがね。

たくぼん
地味だが初手の伏線がいい味。

長谷川
最初のアクセントがいいですね。こういう手が成立するところが詰将棋の面白さですね。

有吉弘敏
かわいい作品。センスありますね。ikiron氏と予想。

桂花
初手一発。

三輪勝昭
43桂成が良い手。
作者予想=みつかづ作。

★初手が人気を集めました。しかしいちばん的確なのは次の評かも。

奥鳥羽生
初手は、邪魔駒消去でもあり伏線でもあり普通の手でもある。

★普通の手ととらえてしまった方々は、

divD
解けない。(題意が)

まつきち
純情可憐な歩詰回避作。タイトルにはそういう意味が? 7手では演出の難しいテーマかと思いますが、初手をうんと難しくする、3手目に不利感を盛り込む、最終手を決めるなど、もう少し工夫の余地はなかったでしょうか。61歩は4手目を限定する苦心の配置?

山下誠
角不成の1手だけでは1局を支え切れない。

松尾 裕
普通の打歩回避。

EOG
7手詰にするのに無理がある。

★演出を整えればもうちょっと上位に食い込めたかもしれません。

夏風
限定角生をさっぱりと表現したところは好感が持てます。右に2路寄せても成立していそうですが、紛れ用の配置でしょうね。

孫の手
43の逃げ道を塞いでから角生。7手詰だと打歩物はどうしてもこうなりますよね。

★まあ持駒に歩があると攻方4手のうち1手は歩打になってしまうので……。

名無し名人
初手の味は良い。2間右に寄せれば駒数2枚減るけど、紛れを増やすため? さわやか風太郎さんかな。参加募集の記事で『「駒数が多く初心者向きでない」と、参加募集の記事で採用を拒否される恐れがあるのでずっと手元に残していました。』とコメントしている。初心者向きというのは幼稚園のことと推測。今回右上6×6に収まっているのは本作だけ。

もーたー
消去法でさわやか風太郎さん。

★お二人ともご名答。

金少桂
とても可愛らしい打歩詰打開。61歩の意味は?なるほどこれがないと3手目55角成も成立するのか。

オオサキ
23に利きが重複しているので、初手は見えやすく、初手が見えればあとは流れに乗るだけ。61歩のように枠の外に余詰防ぎの駒があるのは個人的には好かない。

★これについては次のような案が。

中村雅哉
コンパクトにまとまった小品。なお全体を左に4筋移動する(72玉型)ことで一段目の歩は不要になると思います。

ほっと
初手~3手目が面白い。しかし、四路左に寄せると61歩が不要かも。

★こっち側に平行移動するのは想定外でした。鋭い指摘。

青木裕一
実はちょっと悩んでしまいました。

肉饂飩子
素直。

kaga
意味不明の題。

馬屋原剛
初手がポイント。

後藤 満
初手に気づけば打歩詰回避の手順もほぼ必然に感じる。

みつかづ
打歩詰を絡めたシンプルな角不成の表現でした。桂を捨てておかないと44角不成が無意味になる辺りが細やかでした。

★細やかという表現、いいですね。

h160se
2手目同歩には51角成。この変化も好き。

★実は24角成とかでも……おっと誰か来たようだ。

河童生
初手、3手目と好手が続く。小学校よりは幼稚園向きの作品ですね。

ほい
シンプルな打歩回避ですね!タイトルの意味はなんでしょう?

★タイトルの作意解者はゼロでした。まあGoogleで検索するとちらりと出てきます。

齋藤光寿
1度に二枚消去するのが旨いですね。

小林尚樹
タイトルはとても綺麗なのだが、作品との関連性がよくわからない。「笙」というからには桂馬や香車の作品が似合いそうだと思う。

★肉桂(ニッキ)と香辛料が平安時代っぽい?

ikiron
初手が良いアクセントになっている。配置は右に二つ寄せては駄目?

Hiro
打歩詰回避のために駒を消す、ということですね。タイトルの意味が分からなかったのが残念です。初形のことでしょうか。

不透明人間
タイトルの意味がわかりませんでした。

ミーナ
このタイトルが一番分からない。形が似てるってわけでもないし。もっとも、タイトルの意味がわからないってこと、よくあるよね。
2間右に寄せると、銀と歩が省けるってのは余計なお世話か。
作者は大橋健司。わかんないから、当てずっぽ。

すみしん
角不成がテーマの作品。玉方61歩は2手目を不成に限定する意味合いかな?
ところで、私の勉強不足かタイトルの示す意味が分からないです。

★前衛的なタイトルは僕の好みです。理解されるかどうかはわかりませんが、我々は芸術家。

3時のおやつ
引きつけてズドン!基本ですな。

彼方
捨駒と角不成だけでは少し物足りない。

tsumegaeru
間接的な邪魔駒消去。

★自分から捨てに行っているので直接かな。「原型」消去と言われると結果的にはそうなのですがちょっと違和感がある。たぶんそこのことでしょうね。

竹中健一
ちょっと狙いに乏しいですかね……。

占魚亭
渋いですなぁ。

コメント

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