鈴川優希 詰パラ入選作 #16-20

入選16回 短大 2011.10

詰将棋パラダイス2011年10月号 短期大学
(摩利支天氏との合作)

「デスペラードⅡ」

ABC平均
115201202.62

永○勝利 要はどの時点で飛が成るかなのだが、意外に深い。

二○卓郎 序の駆け引きに消耗した。ならずものとは聞いていたが。


初手から61飛成~72龍とやると打歩詰なので、62龍と控えるが、それでも72桂合で打歩詰に誘導されてしまって失敗。
そこで、まずは61飛生~62飛生と様子を窺う。54馬を防がなければいけないので、それでも72桂合とされる。同飛生から再度71飛成~62龍とすればやはり72桂合で、さっきより桂馬1枚分得するので収束に入れるという仕組みだ。
繰り返し手順のところは面白いのだが、今見ると収束用の配置がどうもセンスがないし、13手目61龍などの迂回手順も気になる。一回作り直すべきなのかもしれない。

なお、本作は今は亡き摩利支天氏との合作。旧ブログにコメントをもらうところから交流が始まり、メールで頻繁にやりとりしていた。氏は若手作家の発掘に熱心で、私と同世代の作家は大半が声をかけられたことがあるのではないだろうか。
タイトルの「デスペラードⅡ」は氏の命名で、イーグルスの曲から。

入選17回 中学校 2011.11

詰将棋パラダイス2011年11月号 中学校

ABC平均
23764122.62

熊○政行 組み木細工のパズルの様で、手順も形も楽しい。

鈴○守 まるでルービックキューブ。


自作の中で、100年後まで古典として語り継がれる可能性があるとしたら、これだろう。
やる手は決まっており、いつでも指せるのに、この順番でないと詰まない。
短編名作選にも収録していただいた。

現代詰将棋短編名作選1976-2015 #将棋情報局
古今詰将棋のベスト・オブ・ベスト400局

なお、7手目の焦点捨てはチェスプロブレムではPlachuttaという名前の手筋らしい。あまり詳しくないので迂闊なことは言えないが、古典の「角土俵」と同じようなイメージ。

入選18回 短大 2012.1

詰将棋パラダイス2012年1月号 短大

ABC平均
30314072.30

鈴○彊 狙いが明確で解後感バッチリ、新年のトップバッターとして最適でした。

変寝夢 初手と最終手の呼応が狙いか。龍年にふさわしい。


新年の客寄せ枠として採用に与った。平成24年辰年なので24龍迄。
初手と最終手を呼応させる作りは今も好きで、なかなか悪くない。
だが、逆算の最中に36歩や12歩を置いてしまっているあたりがまだまだ未熟といった感じか。

入選19回 高校 2012.2

詰将棋パラダイス2012年2月号 高等学校

ABC平均
01602012.72

真○千秋 手筋物と言うなかれ、77飛成は見えない。

田○尚弥 77同玉には78銀とできる変化が気に入りました。

水○一 と金を翻弄する連続捨駒は迫力がある。


配置がごちゃごちゃしているが、と金の翻弄+77飛成が狙いの手。この77飛成を軸に正算で収束を作った記憶がある。

どうせ配置が悪くなってしまうなら、ここまで逆算したい。

58銀がぐるっと回り、成銀になって戻ってくる。
一応それなりに検討はしたつもりだが、かなり際どい余詰筋がたくさんあって怖い。

入選20回 大学 2012.2

詰将棋パラダイス2012年2月号 大学

ABC平均
51322622.66

羽生 金銀が発生しないためか、清流のように清く流れる手順。

鈴○章夫 歩4枚持っての終盤は、呆れるほど巧妙な手順だ。

勝利 凄い! 43龍、12玉の後の4歩による収束は絶品。それ以前の手順が歩合や同玉ばかりで玉方の応手に妙味が薄いと感じたが、この収束ですべての不満は吹き飛んだ。これを実現するためには他は犠牲になっても止むを得ない。いや、犠牲にすべきだ。


収束の17手詰だけでいい説があるが、さすがに類作あるだろうと思ってここまで逆算した。
が、どうやら新しい収束手順だったようだ。
まあ序盤も、歩の捨合が入って形もきれいにまとまっているので、悪くはないと思う。

ただ、今ならこういうふうに作ると思う。

13手目が香生限定というのがミソ。序で一回香打~香成をやっているので、その惰性でうっかりしそうな感じに作っている。
あとは、初手と最終手を23龍で揃えてみた。

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