入選126回 デパート 2017.4
詰将棋パラダイス2017年4月号 デパート
誤 | 無 | 正 |
---|---|---|
0 | 5 | 20 |
山○誠 25に銀を据えるまでの手順が絶妙。手数表示がなければ10手目で誤りそう。
解説: 大○壮太郎
★2手目33玉の変化では25歩が必要駒になっており、また62角も限定打である。この作者なら当然ともいえるが、正当な逆算が施されている。
よくある両王手からの逆算。10手目よろける手が直感に反していて面白いかも。
初手は限定打で、33玉に24銀、同歩、53飛成、43合、51角成を用意している。さらっと作っているように見えるが、限定させるのになかなか手こずった。
入選127回 ヤン詰 2017.2
詰将棋パラダイス2017年2月号
ヤング・デ・詰将棋
A | B | C | ※ | 平均 | 首 |
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50 | 32 | 3 | 3 | 2.55 | 28 |
谷○翔太 4枚の飛び道具を、総て短打で使用するのが面白い。
特に語るところはないが、今で言うところの「取らず手筋」になっている。
入選128回 中学校 2017.5
詰将棋パラダイス2017年5月号 中学校
誤 | 無 | A | B | C | 平均 |
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5 | 0 | 46 | 48 | 4 | 2.42 |
小籠包 これは易しくて見事。後半は精密機械のよう。
作意の詰上りとしてはタブーとされている間接両王手を作ってみたかった。すなわち、2手目香合が同飛、57玉、59香迄で、間接両王手。58合が一応有効合扱いなので、作意にはできない。
これを変化に隠しつつ、作意は銀合が出て無難なまとまり。
入選129回 高等学校 2017.5
詰将棋パラダイス2017年5月号 高等学校
誤 | 無 | A | B | C | 平均 |
---|---|---|---|---|---|
5 | 6 | 30 | 12 | 2 | 2.63 |
池○俊哉 作者にしては珍しい実戦型だが、合駒の香の頭にブチ込む43飛の感触が素晴らしい。
43飛。この一手に尽きる。
超短編ではよく見る手だが、実戦型の収束で突然現れるところが売り。せっかくなら42香も合駒で出そうと思って、逆算した。
まあそれにしても75馬は解く側としては本当に考えたくない手だし、変化も厄介。例えば42飛合は23桂、32玉、22飛、同玉、31銀、32玉、42馬以下となる。
作者としては駒数増やさずに実現できてラッキーといったところ。
入選130回 A級順位戦 2017.6
詰将棋パラダイス2017年6月号 A級順位戦
誤 | 無 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 平均 | 順位 |
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0 | 0 | 8 | 17 | 8 | 1 | 0 | 3.94 | 3位残留 |
止少丘八 34に利きを作りたくない攻方と作りたい受方の応酬が面白い。
額に入れて飾りたいくらい気に入っている作なのだが、評点振るわず3位でガッカリした記憶がある。
初手56角は25玉で打歩詰が打開できない。両王手してしまったために34の地点に攻駒が2枚利いているのがまずいので、これを両方どかすことを考える。
そこで先に54龍、同角として、94龍の横利きを止めておく。なお2手目25玉には45龍捨という手があるので、初手64龍は詰まないことになっている。
それから56角を決行し、25玉に47角とすれば、34がフリーになってくれる。

しかし。ここで36角と移動合して龍の利きを復活させるのが玉方の秘策。
同角には同銀生!
これは打歩にするための生ではなくて、34龍捨、同玉に45角を防ぐための生となっている。
そこで45角ではなく25角!とこちら側に捨てるのが正解で、同玉となればちょうど94龍が原型消去された形。これでめでたく歩が打てて、詰みとなる。
34の利きをめぐる攻防のストーリーだけで終わらず、初手の限定、角のスイッチバック、銀生により25角が焦点捨てになること、銀生が裏目になって最終手が指せることなど、とにかく作者にとって都合のいい演出が盛り沢山となってくれた。
完成したときにここまで気持ちよくなれた作はなかなかない。
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