- 本記事は2015年に開催した「第n回裏短編コンクール」の結果稿を旧サイトから移植したものです。できるだけ当時のままの文章とし、修正は最小限にしてあります。
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この中に一人、成香がおる
ikiron 作
点 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
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人 | 0 | 1 | 0 | 1 | 8 | 5 | 7 | 11 | 7 | 2 | 0 |
正解42 誤解0 無解3
得点2.55(余詰)
人気投票 1位:1人 2位:1人 3位:0人
ベストタイトル投票:5人(3位)
ikiron(作者)
タイトルをつけるのが一番大変だった(笑)
手順は悪くないと思うが、あからさまに余詰消しという配置が気になるところ。
★看寿賞作家ikironさんの、おそらく肩の力をちょっと抜いた作品。
★初手に開王手するのは馬を抜かれ失敗。74飛も64合、同角、44玉で逃げられてしまいます。
★そこでとりあえず上から押さえ込もうと55飛。対する合駒は、同飛寄!が強烈で簡単に捕まってしまいます。
★玉方は必死の抵抗で54銀の移動捨合! どちらの飛で取っても43玉以下脱出されてしまうわけですが、こんな攻方の大駒が迫る位置に銀をタダで差し出すのは勇気がいる手です。
★43に逃さないためには63飛成しかありません。ここで44玉には54龍迄。35に逃さないため、初手は限定打だったことがわかりました。
★最後はその限定打の飛をすっと寄るのが決め手。これも合駒を動かす鉄板の仕組みになっているわけですが、限定打のためにこの飛寄が捨駒になるというのが巧い構成でした。
★残念なお知らせというのは、実は本作、余詰が成立しておりまして……。指摘はミーナさん。
★3手目同飛寄、43玉、52飛成、32玉、42馬、同銀、43銀、23玉に、29香が最遠打限定の妙手。以下、かなり難解ですが詰んでしまいます。
★もともと52は成香ではなくと金で、その図では綿密な検討をしていた作者。投稿直前になって、タイトルを考えあぐねた結果、こういった変更を加えたことが裏目に出てしまいました。
★しかしベストタイトル投票では3位を獲得。余詰さえなければ……と悔やまれるところでした。粗検お詫びします。
★完全作なら得点は2.55。順位は8位でした(前作「悲しげな駒たち」より1つ上にランク)。
園城寺怜
角の利きを一旦塞いで後で空ける。ちょっと面白い。
h160se
どうしても成香である必要はなさそうだけれど、手順は素敵。
冬眠蛙
嘉門達夫にそんな歌があったなあ。
★作者は「おもしろフラッシュ倉庫」にある「この中に一人~」を元ネタにしていたようですが、さらなる元ネタがありましたね。
長谷川
移動合した銀をさり気なくもう一回動かすのはいいですね。もっと見た目よくできないかな~?
有吉弘敏
あえて香を並べて52だけ成香にしているところに作者の機知を感じます。
桂花
キレの良い手順。配置もユーモラスで、及第点。
三輪勝昭
成香を含む4枚の香が いい感じ。生きたタイトルと言えるが、この作意は作者よってはかなり違った図になるだろう。
作者予想=オオサキ作。
オオサキ
余詰防止の配置は他にもいろいろありそうだけど、この形にして、この命名は上手い。手順も良い。
夏風
44に逃がすわけにはいかないので攻めは限れられています。でも、飛車2枚に堂々と渡りあう銀が格好良いですね。
もーたー
小林氏と予想。
孫の手
予想通りだけど初手の角筋を遮る飛車打ちがいい。
divD
閉じた角筋を開く。
まつきち
初手は巧い。以下も二枚飛を捨ててキレイにまとめた。19角はここが絶対? タイトルは面白い。
★19角は近付けると余詰が……おっと19でもありましたか 汗。
山下誠
成香は苦しまぎれか、それとも愛敬か?
★どうなんでしょうね? タイトルと含めてお笑い要素かな。
金少桂
玉「成香の役立たず~!」タイトルお笑い部門では1位。ところでこんな感じのタイトルのラノベがあったような気が……。
★それもたぶん同じ元ネタ? 参考リンク▼
松尾 裕
成香でないと不詰? 不思議な感じ。
名無し名人
初手は限定打。移動捨合を取らずに動かす。52金にすると余詰。と金でも良いが成香にしているところに作者の遊び心。ikironさんが11月4日に「盤面11枚の7手詰あった」とつぶやいている。盤面11枚で想像の右下をいくタイトルというのも一致してるからikironさんと予想。
★「成香がおるって、そんなの見たらわかるやん……」というのが僕のファーストインプレッションで、想像の右下とつぶやいてしまいましたが、元ネタを知るとちょっと面白く思えてきます。そして名無しさん、またもや的中!
中村雅哉
成香にする必然性がないと思われますが、この辺は作者の趣味の世界か(笑)。
EOG
ほぼ一本道だが悪くはない。
★高級手筋なのに意外に易しいんですよね。
奥鳥羽生
タイトル先行?(この中に香が四人おるのはなぜ?www)
4~3筋逃避がらみの初手の限定と玉方の捨合良し。
青木裕一
作品内容とタイトルの相乗効果が秀逸。作者はオオサキさんと予想。
肉饂飩子
飛打、飛成が限定されている。そのための成香ということか。
kaga
苦しい成香。
さわやか風太郎
タイトルのための成香配置が作者の苦心。
★核心。
馬屋原剛
銀が2度動くのがよい。
後藤 満
こんな所に角がいた。
★ひょっとして見落としました?
たくぼん
タイトル→見りゃ分かる 作品→結構好き 嘉門達夫→好き
みつかづ
初手限定打に移動合、その銀の利きに飛車をタダ捨てしての収束で清涼詰を実現。こんな感じで作りたかったなと思わせられる良い作品だと思います。
河童生
「限定打、その駒も捌いたよ」、作者の得意顔が目に浮かぶ。
ほっと
ウケ狙いの作品にしては凝った手順。しかし冷静に見ると4香品切れにしている必要がまったく無いのが笑える。
★結果的にはウケている。
ほい
タイトルで笑いました。1九角が探偵ですね。
齋藤光寿
大駒を一つずつ動かす味がいいですね。
★大駒ばかりですが意外に繊細な手順です。
小林尚樹
角を思わず見落としそうになるタイトルとして優秀。ただ単に「成香がおる」だけでも良かったかも。
不透明人間
♪どんなに上手に隠れても~花咲舞が黙ってないよ~
ミーナ
「拙者ではござらぬ」「おまえだー!」ってやつだね。
余詰 3手目より同飛寄、43玉、52飛成、32玉、42馬、同銀、43銀、23玉、29香以下。
ときどき、すごい余詰を見つけることもあるけど、そこから作ることはありません。著作権?は、作者のものだから。
作者は駒場和男。ふざけたタイトルがいかにもって感じ。
★余詰で最遠打が出るなんてめったに見ないですからね。
すみしん
綺麗な構図から、移動合、2枚の飛車捨と緩みなく、すばらしい作品ですね! 攻方4枚でこれだけの要素が入るのは凄いです。なんとなく鈴川さんの作品かなと思いました。
3時のおやつ
さすがに壁の前に出てきては勝てません。
彼方
飛車が二枚とも消え、銀が二度動く爽やかな手順。作者はikironさん?
★ご名答。
tsumegaeru
タイトルが面白い。香である必然性の無い駒がちらほら有りそうなのが残念。
竹中健一
あ、ホントだ!役立たず!
占魚亭
飛で銀を釣る。
村人A
うまいけどちょっと無理やり感あるかな。
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