鈴川優希 詰パラ入選作 #106-110

入選106回 たま研 2016.2

詰将棋パラダイス2016年2月号 たま研作品展

0134

池◯俊哉 52角中合だけをさらっと描く。肩の凝らない作品。

永◯勝利 鈴川さんにしては捻りが少ない気もしましたが、楽しめました。


シンプルすぎる気もするが、大駒捨ててまとまっているので、客寄せとしてはこんなものか。

入選106.5回 デパート 2016.2

詰将棋パラダイス2016年2月号 デパート

0233

久◯紀貴 これは絶品。35角44香移動捨合の妙手順を経て、45香44角合が再現されることになろうとは……!


気に入っていたのだが、同一手順作があったため入選辞退扱いにしていただいた。

京都民報2007年6月3日
楠原崇司

地方新聞にさらりと発表していいような手順ではない。

入選107回 高等学校 2016.3

詰将棋パラダイス2016年3月号
高等学校

ABC平均
32538622.78

池◯俊哉 先を見据えた初手や変化のための49桂、合駒を不成で動かす、など逆算の名手の本領発揮。

川◯敏嗣 取れば早詰の86銀が寄せの橋頭堡。最後の64金は駒音を立てずにすっと寄る。


収束5手からの逆算。銀合の不成移動と、収束に必要な駒を序に設置していく流れはまずまず。
しかし、初手から69桂や87金などさまざまな余詰があった。

修正図はこちら。ついでに2手逆算しておいた。

これで詰上りに必要な4枚の攻駒をすべて打つようにできたので、完成としたい。
余詰が心配だが、危なそうな筋をシェル詰にかけて不詰だったので、たぶん大丈夫だと思う。

入選108回 中学校 2016.4

詰将棋パラダイス2016年4月号 中学校

ABC平均
1210582232.66

永◯勝利 すべての手が計算されている感じで、まったく気が抜けない。それだけに解き終えた際の手応えは最高。

山◯強志 1手1手の密度は濃いが印象は今ひとつ。内容凝りすぎ?


2手目他合は83角成~64龍があるので金合。この場合は開王手に53玉、64金、44玉、54金といきたいので45角に紐をつける56角引となる。
が、さすがに配置が重すぎるのと、狙いがよくわからないので失敗作だろう。

本来はこういうふうに作りたかったのだが、これでも配置が少し重い。いろいろいじっていたら金の捨合が出てきたので、そっちにシフトチェンジしたという背景。

入選109回 高校 2016.2

詰将棋パラダイス2016年4月号 デパート

0233

解説 久◯紀貴

◎久保です。デパートにジャージで行ったら親に怒られました。久保です。
◎84の退路を塞いで93角は当然の一手。合駒はすぐには決まらないので、仮に歩合として進めよう。
◎76歩と叩いて同玉に87の逃げを防いで98角。ここも(二歩だが)歩合としておく。
◎87歩合に79香と打てばいかにも詰形だ。67玉には58金の1手詰だし、これに備えて78歩合などと中合を繰り出してみても、同香から68歩と打たれてしまう。
◎万事休したかというところ、ここで77桂と捨合する変化がキー。この局面では同香~79桂で簡単に詰んでしまうのだが、もし87の合駒が桂だったら……そう、これを同桂成と取れるのだ。
◎しかしそれだけでは不十分だ。なぜなら87の桂が動くと76角が生じるからである。これを防ぐには……84の合駒も桂だ!
◎ところがところが、玉方の駒台には桂が1枚しかない。この1枚は77桂合のための1枚だ。つまり84や87に桂を打合するだけの余裕はない。ということは……。
◎93角に84桂跳!、98角に87桂生!といずれも移動合で応じるのが先を見据えた好防。これで79桂に同桂成、次いで76角に同桂と受けることができる。移動合したため、これらが2段跳ねになるのも見逃せないポイントだ。
◎さて76同桂となって、今度は93の角筋が通る。最後はこの角を57に成り捨て、完璧なまとめだ。
◎未来を知り過去を変え、そして物語は最高の結末をみる。55に鎮座する時の王は、その顛末を静かに見守る観測者か。主役の桂の陰で、初形から詰上りに至るまで睨みを利かせる王の配置が光った。

太◯岡甫 これでもかというほど追求された美しさに感動。


久保さんの解説がよかったので、全部載せてみた。
桂の二段跳ねは好きなテーマだが、これはうまく盛り込むことができて満足。代表作にしてもいいと思う。
ちなみに72桂と95桂は配置しなくても作意が成立するのだが、それを暴露すると評価を落とすかもしれないので秘密にしておこう。

入選110回 高等学校 2016.5

詰将棋パラダイス2016年5月号
高等学校

ABC平均
23392312.60

矢◯修 初手の93王は違和感があり最後迄見えなかった。変化の香合ですべての謎が解けました。

大◯究庵 いつもながら、大駒の捨てる手順の小気味の良いこと。


6手目香合は、同龍、75玉、76香、85玉、83龍以下。これに備えて初手はソッポになっている。
もともと双玉は収束で97桂と他の手の手順前後を防ぐための配置だが、初手に動かす逆算ができてよかった。

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