鈴川優希 詰パラ入選作 #111-115

入選111回 デパート 2016.5

詰将棋パラダイス2016年5月号 デパート

0237

原◯清実 絵に描いたようなきれいな収束につながるのが信じられない!

福◯徹彦 清算手順はあるものの、銀合など好手順もあるし、軽くて楽しい。


収束はいいが、序があまりにもお粗末だったので、ikironさんに詰工房で助言をもらって改作したのがこちら。

角合が入ったのがミソで、代わりに銀合は作意69飛のところ97飛で、88玉、77馬、99香、98合、86銀、96玉、98香迄という変化が巧い。これで完成としたい。

入選112回 B級順位戦 2016.6

詰将棋パラダイス2016年6月号 B級順位戦

54321平均順位
21414102004.461位昇級

山◯誠 桂香を巧みに使って網を絞り、最後は豪快に龍が動いて引き締める。理想的な構成に感動。


順位戦で4.46とかなりの高得点を出した作。変化紛れが分厚く、手順もあまり見ない筋だと思う。

まずは2手目のこの局面。88桂がいい手で、同馬には86金から追詰だが、同とに対して87飛成というのが非常に見えづらい。以下同とに再度の88桂で、同と、77金以下捕まる。

続いて、4手目のこの局面。すぐ86飛成といきたいが、取ってくれず76銀成で上部が抜ける。
そのため58桂、同銀成、68香、同成銀、67香、同成銀と銀を成らせてから86飛成を決行する必要があるというわけ。
なお58桂に同銀生は68香に同とと取るしかなくなり、56金、75玉に77香で捕まっているが、このとき64玉に53飛成を用意するため、初手は限定打となっている仕組み。82に打っているとここで62飛成とすることになるが、63金合、同龍、同玉、53金、64玉で馬がよく効いていて詰まない。

初手に限定打した飛を最後にブン回して詰ますのが気に入っている。

入選113回 デパート 2016.6

詰将棋パラダイス2016年6月号 デパート

0237

山◯誠 狭い玉なのに妙に詰めにくい。二枚飛車の詰上りが全く想像できなかった。

占魚亭 初手に打った銀を消す律儀さが美点。


珍しい収束を見つけたので逆算。最後に捨てる銀を初手に捨駒で打つようにするまでが作法というもの。
しかし一点読み抜けがあって、22手目に27桂合と捨合されると、変同駒余らずになってしまう。これは修正できそうにない。見つけた方には拍手。

入選114回 中学校 2016.7

詰将棋パラダイス2016年7月号 中学校

ABC平均
23793622.65

解説 清志

☆限定中合で発生させた飛を2度も動かす高度な狙いの作品。非常に簡明で分かり易く作ってあるのがむしろ値打ちで、配置にも無理がない完成品と思う。


シンプル。なにも言うことなし。

作家諸氏への覚書。中合を動かす場合、玉を線駒の利きから外さないとピンされていて動かせないわけだが、そこが本作のように凡手順(55角成、76玉)になっていると短編では緩みとみなされてしまう。上手い人はこの2手を捨駒で作ってくる。もしくは、超短編でやるならペレやシフマンという技もある。

入選115回 短期大学 2016.7

詰将棋パラダイス2016年7月号 短期大学

ABC平均
05411112.75

解説 石◯誠一

☆イケメンの鈴川君である。いかにも好手順が出そうな初形すらもイケメンである。
☆39香は26玉なら詰むが、38銀くらいで詰まないので、上部脱出を防ぐ初手は57龍。いきなりの合駒読みだが、香・歩が使えないのが大きく、あっさり桂合に決まる。さらに47香で、再度の合駒読みだが、これまたあっさりと桂合。合駒の決まり方までもイケメンである。
☆36玉に勢い39香としたくなるが、26玉で逃げられる。龍筋を通しておく28桂が肝要だが、わざわざ成香を作らせてからの39香が格好良い。取れば28桂なので38合だが、今度は香歩に加えて桂すらも使えない。斜め駒は27に打てるから、珍しい消去法で飛合に決まる悲哀。
☆28桂捨てで成香をスイッチバックさせて37飛と据えれば収束まで見えてくるが、この飛を捨てての詰上りまで、実に華麗に決っている。
☆軽く創った感じだが、初形・導入・収束、どれも隙がない。何故作者が創るとこうも格好良く決まるのかと考えてしまうが、その理由はここまでの文脈できっと自明であろう。


どういう解説だよと思ってしまうが、的を射ているので全部載せてみた。
貧乏図式からサラサラと簡単な合駒が出てくるのが狙い。

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